ビクトリア朝時代の消火器は手投げ式だった!「ファイヤ・グレネード」

ビクトリア朝時代の消火器は手投げ式だった! 出来事や雑学
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皆さん消火器を使ったことはありますか?普段目にしていて、とても身近にあるのに使ったことがないという方が多いと思います。もちろん使わないに越したことはないのですが。

昔の消火器は今の消火器と違ってレバーを握って使用するものではありませんでした。今回は米国のビクトリア朝時代に使用されていた変わった消火器をご紹介します。

手投げ式消火器「ファイヤ・グレネード」

1800年代後半に普及した消火器は手投げ式でした。通称「ファイヤ・グレネード」です。

この消火器は、ガラス瓶や現代の電球に似ていますが、より大きく、塩水が充填されていました。ビクトリア朝時代の家では、壁に取り付けられた金属製のブラケットに設置されていました。炎に向かって投げるとガラスが割れて、中に入っている水が炎を消してくれました。普通の水ではなく塩水なのは、塩水の方が凝固点が低く凍りにくいからです。これにより、厳冬期でも水の状態を保つことができました。この消火器の中には、スプリンクラーのように水を散布するバネ式の引き金を備えたものもありました。

この消火器が登場したのは1870年代のことで・、初期のものは手吹きガラスで、おしゃれな模様が刻まれ、色がついているものが多くありました。ガラスの容器は無色でも、中の水は着色料で青や赤に着色されていることもありました。19世紀以降になると、派手な吹きガラスは姿を消し、滑らかなすりガラスや透明なガラスを使った工業的なデザインが主流となりました。

手投げ式消火器

手投げ式消火器©ebay

初期の消火器には、塩水に塩化アンモニウムを混ぜたものが使われていました。塩化アンモニウムを加熱するとガスが発生し、少なくとも理論的には火災を抑えることができます。1900年頃から、消火器メーカーは、常温では液体だが76度程度に加熱すると気体になる四塩化炭素(CTC)という別の消火剤を使うようになりました。気体である四塩化炭素は空気より重いため、足元の火元を消してくれます。

しかし、四塩化炭素は人間に対して非常に毒性が強い化学物質でした。四塩化炭素の蒸気にさらされると、中枢神経系に影響を与え、肝臓、腎臓に悪影響でした。長時間さらされると、昏睡や死に至ることもありました。また癌になる可能性もあります。さらに、四塩化炭素が高温になると、第一次世界大戦で使用された化学兵器であるホスゲンガスが発生します。また、四塩化炭素は、ドライクリーニングの溶剤、油脂、ラッカー、ニス、ゴムワックス、樹脂などの溶剤、冷媒、溶岩灯など、さまざまな産業分野で使用されていました。

1911年、デラウェア州のピレン・マニュファクチャリング・カンパニーは、四塩化炭素を使った小型の携帯用消火器の特許を取得しました。この消火器は手投げ式とは異なり、真鍮製のボトルにハンドポンプが内蔵されており、これを使って液体を火元に向かって噴出させます。容器に圧力がかかっていないため、使用後の補充も容易でした。

携帯用消火器

携帯用消火器。ハンドポンプ式です。©military-classic-memorabilia.com

四塩化炭素は液体火災や電気火災に適しており、航空機や自動車に搭載されることが多かったのですが、1970年になって、四塩化炭素は民生品には使用されなくなりました。

現在、手投げ式の消火器はコレクターズアイテムとして珍重されていますが、中には有毒な化学物質が入ったままのものもあるので、取り扱いには注意が必要です。

現在の消火器

消火器についての豆知識

消火剤の加圧方法によって、蓄圧式消火器と加圧式消火器の2タイプに分かれます。

蓄圧式消火器

蓄圧式消火器の本体容器内には、消火剤と一緒に、窒素ガスが蓄圧されていて、圧力計がついています。
レバー操作で、消火薬剤が本体容器からホースを通り、ノズルから放出されます。
一度レバーを握っても、レバーを離せば止めることができます。圧力計がついているのが、蓄圧式消火器です。

加圧式消火器

加圧式消火器は消火器のレバーを握ることで、消火器本体に内蔵されているガスが、ガス導入管を経由して消火器内部全体に広がり、消火薬剤が本体からホースを通り、ノズルから放出されます。
加圧式消火器は、一度ノズルを握ると、内部の圧力が下がって薬剤を放出し終わるまで止まりません。

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