水で動くソフトアクチュエーターが開発される

水で動くソフトアクチュエータが開発される テクノロジー

浦項工科大学校機械工学科の研究チームは、ナマコの変異性コラーゲン組織(MCT)にヒントを得て、従来のソフトアクチュエータの強度と速度を上回る水駆動の自己動作型ソフトアクチュエーターを開発しました。本研究は、Journal of Materials Chemistry A誌の最新号に表紙裏の論文として掲載されました。

アクチュエーターってなに?

まずソフトアクチュエーターを説明するにはアクチュエーターを説明しなければなりません。

ソフトの反対でハードな(硬い)方です。

個人的にはハードよりソフトな方が好きです。

アクチュエーターとは

アクチュエーターは、入力されたエネルギーもしくはコンピュータが出力した電気信号を、物理的運動に変換する、機械・電気回路を構成する機械要素である。能動的に作動または駆動するものです。wikipedia

↑文系の私にはちょっと何言ってるかわからないのですが、

アクチュエータの仕組み

アクチュエーター買うならASPINAさんですよね。©ASPINA

まずなにかしらのエネルギー(電気、油、空気など)を動力に変換し、機械に伝え、様々な動きを生み出す駆動機構をアクチュエーターと言います。風車や水車などもアクチュエーターと言えるかもしれません。

例えば、電動ドリル

ドリル

この電動ドリルは引き金を引くと電気がモーターに伝わり、モーターの回転が歯車に伝わり、ドリルが回ります(回転運動)。

電動ドリル内部

©wikipedia

ショベルカーなどのアームを動かす油圧シリンダーは油の流体エネルギーを入力してピストン運動(直線運動)を生み出します。

油圧シリンダーの説明動画

油圧装置の基礎知識~機能と構造~ ダイジェスト版

これがアクチュエーターです。

ソフトアクチュエータとは?

ではソフトアクチュエーターとはなんなのか。

簡単に言うと柔らかいんです。

軽量で柔軟な材料が変形することによりアクチュエーターとして機能します。またの名を人工筋肉とも呼ばれ、小型で軽量、様々な駆動源(電気、光、水など)、無音、水中や大気中で動くなどの特徴があります。

種類もたくさんあって、

高分子ゲルアクチュエーター
導電性高分子アクチュエーター
エラストマーアクチュエーター
カーボンナノチューブアクチュエーター
ナノバイオマシン

などあるようですが詳細は…割愛させてください。多分素材が違うんじゃないでしょうか。

ソフトアクチュエーターの説明動画
電気電子工学 | やわらかさを利用した新しいロボット技術(生体医工学研究室)

例えば、私たち人間の肘や膝の曲げ伸ばしもソフトアクチュエーターによって駆動していると言えます。

身体の化学エネルギーを筋肉に伝え人間の肘や膝の曲げ伸ばしをしているのです。

ラリアットをする時は、肘を曲げますし、腕の筋肉を硬くします。ラリアットしないときは柔らかいです。

パラパラも踊れますし、コサックダンスのような特殊な動きも柔軟に対応し自由自在です。

かわいこちゃんにチューする時に口をとがらせることもできます。

人間のような柔軟な動きに対応するために開発されたのがソフトアクチュエーターです。

自己動作型ソフトアクチュエーターとは?

今回の浦項工科大学校機械工学科の研究チームが開発した水で駆動するソフトアクチュエーターは、ナマコの変異性コラーゲン組織(MCT)からヒントを得ています。

ナマコの体は変異性コラーゲン(MCT)という組織のおかげで、柔らかい体から、触るとすぐに硬くなったり、伸び縮みしたり、からだを数秒のうちに変化させ、隙間を素早く通り抜けたり、敵を威嚇するために膨らんだりすることができます。

このナマコの変化は、人間とは違えど、化学的なエネルギーを制御することにより、コラーゲン組織の水素結合を形成または破壊することで引き起こされます。

このソフトアクチュエーターは、水分に触れると作動し、柔軟に変形する「バルクのPNIPAAmハイドロゲル」という高分子ゲルをベースに作られています。

従来のものは、壊れやすい、速度が遅いなどの理由で用途が限定されていました。

今回開発されたソフトアクチュエーターはその問題を解決することができるようです。

比較実験では、水をエネルギー源とする従来のソフトアクチュエーターと比較して、温度80℃の水中でも200倍の作動力(2ニュートン)と300倍(1/3秒)の作動速度を示しました。また、いくつかの試験を経て、300%の引張ひずみを受けても元の形状に復元する堅牢性が実証されたそうです。さまざまな環境に容易に適応することができるとのことです。

とにかく強くて速くて丈夫なのにソフトなのです。

このアクチュエーターは、人間の腕のように素材を掴んだり持ち上げたりするグリッパー、創傷被覆材、人工指などの産業用ロボットをはじめ、産業分野やバイオメディカル分野など、さまざまな分野で応用することができると開発者は述べています。

Source:sciencedaily, DOI: 10.1039/D1TA02566J

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