【発見】ある島の巨大ムカデは鳥の赤ちゃんを捕食する

【発見】ある島の巨大ムカデは鳥の赤ちゃんを捕食する 生物学
©Daniel Terrington

鳥を食べる巨大なムカデというと、SF映画の世界のように聞こえるかもしれませんがが、実際に起こっていることなのです。

※この記事は残酷な映像や表現が含まれています。

南太平洋のノーフォーク島の一部である小さなフィリップ島では、フィリップ島ムカデ(Cormocephalus coynei)の集団が、毎年3,700羽もの海鳥の雛を殺して食べているのです。

これは全くの自然現象であり、このフィリップ島固有の生物は、海鳥のヒナを含む脊椎動物を多く食べています。

食物連鎖の逆転

海洋の大型捕食者である海鳥は、通常、食物連鎖の頂点に位置しています。しかし、「The American Naturalist」誌に掲載されたこの研究は、これが必ずしもそうではないことを示しています。

フィリップ島のムカデは、非常に多様な食生活を送ることで、食物連鎖の重要な役割を果たしています。

危険な捕食者(ムカデ)が夜な夜な動き回る

危険な捕食者(ムカデ)が夜な夜な動き回る

©Luke Halpin

このムカデは、体長が30.5cm近くにもなります。

このムカデは、「フォーシプル(顎肢や毒牙、毒爪などと呼ばれる)」と呼ばれる2本の牙状の突起に強力な毒を封じ込め、獲物を動けなくします。体は盾のような装甲で守られており、その装甲は体長を構成する多くの体節のそれぞれに並んでいます。

↓この記事で紹介しているムカデの画像が少なく別種のトビズムカデですが…

ムカデの説明図

ムカデ倒すならアースさんですよね©アース製薬

夜行性のムカデは、暖かくて湿度の高い夜には、林に散らばる海鳥の巣穴の中を迷路のように進みながら、厚い葉っぱの中を探し回ります。徘徊するムカデは、2本の触角を使って獲物を探します。

ムカデが狩る獲物は海鳥のあかちゃんだけでなくコオロギや、ヤモリやトカゲなど多岐にわたる。さらには、木の上に巣を作っている海鳥が落とした魚までも食べてしまう。

恐ろしい発見と調査

研究者たちはフィリップ島に生息する海鳥の生態調査を始めて間もなく、クロミミズナギドリのヒナがフィリップ島ムカデの餌食になっているのを発見しました。

ムカデが何を食べているのかを知るために、夜間の摂食行動を調査し、狙っている獲物の種類を記録しました。また、ウミツバメのヒナを巣穴の中で数日おきに、しかも数カ月にわたって観察しました。

その結果、殺されたヒナに一貫した傷のパターンが見られるようになりました。あるムカデがヒナを襲って食べるのも目撃しました。

Phillip Island Centipede envenomating a Black-winged Petrel nestling.

観察した捕食の割合から、フィリップ島のムカデの集団は、毎年2,109から3,724羽のウミツバメの雛を殺して食べることができるとわかりました。

一般的に食物連鎖の頂点捕食者は哺乳類ですが、この島ではムカデが哺乳類に代わりになっているのです。脊椎動物を捕食することで、ムカデは海鳥が海から運んできた栄養分を捕捉し、島内に分配しているのです。

島の生態系の回復

ほんの数十年前まで、フィリップ島のムカデは非常に珍しい存在でした。実際のところ、生物学的な種として正式に記載されたのは1984年のことです。

1980年の集中的な調査では、わずか数匹の小さな個体が発見されただけでした。当時ムカデが少なかったのは、1788年に人間が島に豚やヤギ、ウサギを持ち込み、植物を破壊したためとされています。

20世紀初頭には豚や山羊が駆除され、1980年代以降は近隣のノーフォーク島国立公園の保護活動により、残っていたウサギが駆除され、海鳥やムカデの生息数が回復しました。以来、その数は爆発的に増加し、現在ではフィリップ島では13種の海鳥が生息し、その中で最も多い種がクロミミズナギドリです。

クロミミズナギドリはフィリップ島のムカデに良質な餌を提供しており、ムカデの生息数の回復に貢献していると考えられています。

現在、ノーフォーク島国立公園の保護活動により、ムカデのような固有種や、絶滅の危機に瀕しているフィリップ島ハイビスカスとともに、島の森林が再生されています。

栄養素の移動を促進するフィリップ島ムカデの存続が、島の生態系回復の鍵を握っているのかもしれません。しかし、この複雑な食物網のつながりを完全に理解するには、さらなる調査が必要です。

Source:TheConversation

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