地球の核は地球最大の炭素貯蔵庫となる可能性がある

天文・宇宙

地球の外核は高温・高圧の液体で満たされています。そして、地球最大の炭素の貯蔵庫かもしれません。
この研究は、8月19日発行の学術誌「Communications Earth and Environment」に掲載されました。

地球の核とは

地球の核

地球の核(内核・外核)

地球の核は、非常に熱く、非常に密度の高い地球の中心部です。玉状の核は、地表から約2,900kmのところにあり、半径は約3,485kmです

鉱物資源の豊富な地殻やマントルとは異なり、核のほとんどが鉄でできています。

また地球上の硫黄の90%は核に存在していると言われます。

核は地球上で最も高温な部分で、圧力、地球の自転、核の成分の変化などによって変わりますが、一般的には、摂氏約4,400度から摂氏約6,000度までの範囲です

また核は、マントルとの境界にある外核と、内核の2つの層からなります

外核

外核の厚さは約2,200kmで、そのほとんどが液体で主に鉄、ニッケルでできています。外核の温度は摂氏4,500度から5,500度と非常に高温です。

外核の液体金属は粘性が非常に低いため、激しい対流が起こっています。外核の液体金属の撹拌により、地球の磁場が形成され、維持されているそうです。

内核

内核は、高温で高密度の鉄の塊です。半径は約1,220km。内核の温度は摂氏約5,200度。圧力は約360万気圧です。

内核の温度は、鉄の融点を超えていますが、外核とは異なり、内核は液体でもなければ、溶けてもいないません。内核の圧力と密度が高すぎて、鉄の原子が液体になることができないのです。

地球最大の炭素の貯蔵庫

研究の結果、炭素の量は地球の0.3%から3%と推定されました。この数字は少なく感じられるかもしれませんが、外核1地球の核のうち、内核の外側の部分。 地表から2900~5100キロの間。 鉄を主成分とし、高温・高圧の液体と考えられている。の大きさ(厚さ2,180キロメートル)を考慮すると、5.5から36.8ヨタグラムという膨大な量になります。(1ヨタグラムは1𥝱(10の24乗)グラム。1ヨタグラムは地球の全海水の質量に相当する。)

この炭素量の推定値は、地球のコアの密度の謎を解くのに役立つだろうと科学者たちは語ります。

研究の共著者であるフロリダ州立大学地球・海洋・大気科学部地質学准教授のMainak Mookherjee氏は、「惑星の核は大部分が鉄であることがわかっていますが、鉄の密度は核の密度よりも大きいのです。」と述べています。

つまり、核の中には密度を下げる炭素などの軽い元素があると考えられます。

過去に外核に含まれる炭素の量を定量化しようとしたことはあったが、地球の外核の組成を推定するために、酸素、硫黄、ケイ素、水素、窒素などの他の軽元素を考慮に入れて、炭素の推定範囲を精密化した研究は今回が初めてだという。

どうやって炭素の量を推定したのか

地球の核は、私たちの足元から約6,400km下にあり、直接的に測定することが不可能です。そのため、科学者たちは、圧縮音波とコンピュータモデルを使って、外核の化学組成を分析しています。

今回の研究では、地球を伝わる音波の速度を、鉄や炭素などの軽元素の量をシミュレーションしたコンピューターモデルと比較し、最適なものを探しました。

フロリダ州立大学の地球・海洋・大気科学部門の博士研究員であるSuraj Bajgain氏は、「シミュレーションで得られた音波の速度が、地球を伝わる音波の速度として観測されたものと一致したとき、シミュレーションが外核の実際の化学組成と一致していることがわかりました。」と述べています。

今回の新しい研究では、この炭素の93%から95%が核(内核と外核の両方)に存在し、重要な炭素貯蔵庫になっていると示唆しています。

研究者たちは、私たちの生命維持に不可欠なこの元素が地球上にどれだけ存在するかがわかれば、地球や宇宙にある岩石質の惑星の組成についての理解が深まると考えています。

まとめ

地球内部は地殻・マントル・核で構成されており、核には内核と外核がある。

今回の研究では、地球の外核にどれだけの炭素が存在するかを推定し、その量は5.5から36.8ヨタグラムという膨大な量となった。

この発見は、地球の核の密度の違いを説明するのに役立つだろう。

Source:livescience, DOI: 10.1038/s43247-021-00222-7

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