犬の寄生虫(鉤虫)が多剤耐性を持っていたことを発見

生物学

鉤虫は、FDA(米国食品医薬品局)が認可した獣医師が使用するすべての薬を回避するように進化しています。

鉤虫は、コンパニオンアニマル1人間の伴侶(はんりょ)としてのペット。を悩ませる最も一般的な寄生虫のひとつです。

鉤状の口を使って動物の腸にとまり、組織液や血液を食べます。

感染した動物は、体重の激減、血便、貧血、無気力などの問題を抱えることになります。

ジョージア大学の新しい研究によると、この細菌は多剤耐性2多くの抗菌薬、抗生物質に対しての耐性を持っています。

現在、米国の獣医師は3種類の薬を使って鉤虫を殺していますが、寄生虫はすべての薬に対して耐性を持っているようです。

UGA(ジョージア大学)獣医学部の研究者たちは、2019年にこの気になる進展を初めて報告しましたが、最近、International Journal for Parasitologyに掲載された新しい研究では、Drugs and Drug Resistance(薬剤と薬剤耐性)がより深く掘り下げられています。

「Drugs and Drug Resistance」に掲載された新しい研究では、この問題がどこから始まったのか、そしてその後どれほど悪化しているのかについて、より深い洞察が得られています。

今回の研究では、現役および元のレース用グレイハウンドに着目しました。

ドッグレース場は、施設内の砂地が鉤虫の理想的な繁殖地であるため、特に寄生虫の拡散に適しています。

このような状況のため、すべての犬は約3~4週間ごとに駆虫されています。

グレイハウンドの里親募集を行っている犬舎、里親募集団体に協力している3つの獣医師会、活発なレースを行っている犬舎の糞便サンプルを分析した結果、寄生虫がこの犬種に非常に多く見られることがわかりました。

グレイハウンドの5頭中4頭に鉤虫の陽性反応が出たのです。

また、陰性の犬もおそらく感染しているだろうと、本研究の責任著者であり、UGAの獣医寄生虫学の元教授であるRay Kaplan氏は言います。

鉤虫は組織の中に「隠れる」ことがあり、感染症が悪化して犬の腸内に浸入するまで繁殖せず、卵も排出しません。

しかし、さらに驚くべきことに、研究チームは、犬たちが鉤虫の治療を受けた後も、高レベルの感染症にかかっていることを確認しました。

今回の研究では、犬の寄生虫に広範な多剤耐性が存在することが世界で初めて報告されました。

寄生虫の突然変異

顕微鏡で見た鉤虫の卵。
鉤虫は、顕微鏡で見たときに口が鉤の形をしていることからその名がついた。
亡くなった子犬の腸の中に見える鉤虫。
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競走犬の飼育場や犬舎など、たくさんの犬がたくさんの寄生虫に感染している状況では、寄生虫が稀な突然変異を起こして駆虫剤の治療に耐えられるようになる機会が多くなります。

頻繁に駆虫剤を投与していると、新たに出現した耐性虫が生き残り、薬をすり抜けた変異を子孫に伝えてしまいます。

駆虫剤の投与を繰り返しているうちに、農場や犬舎にいる薬剤に弱い虫がほとんど死滅してしまい、耐性のある虫が優勢になってしまいます。

さらに、獣医師は通常、治療後に動物を検査して寄生虫がいなくなったことを確認しないため、犬が重度の感染症にかかって鉤虫症の兆候が現れるまで、薬剤耐性のある寄生虫に気づかないのです。

研究者たちは、ほぼすべての糞便サンプルに、動物と人間の両方に使用されている広域駆除剤であるベンズイミダゾール系薬剤の治療に耐えうる鉤虫の突然変異の陽性反応があることを発見しました。

他の2種類の薬剤に対する耐性を調べる分子レベルの検査法はまだ存在しませんが、研究チームが行った他の種類の検査では、鉤虫がこれらの薬剤に対しても耐性を持っていることがわかりました。

「グレイハウンドは愛らしい犬なので、とても熱心な養子縁組産業があります。私も以前は犬を飼っていました。しかし、グレイハウンドが養子に出されると、薬剤に耐性のある鉤虫が他のペットの犬にも現れることになります。」とKaplan氏は言います。

薬剤耐性鉤虫症が発生する可能性のある場所として、多くの飼い主が動物を運動させるために利用しているドッグパークがあります。

「個人的には、ドッグパークには連れて行きません。もし、犬がこの耐性鉤虫を拾ってしまったら、もう薬で治療するほど簡単ではありません。新しいタイプの薬が使えるようになるまでは、犬をドッグパークに連れて行くのは危険な行為だと考えなければなりません。」とKaplan氏は言います。

その結果

犬は虫を口から摂取しなくても感染してしまいます。

鉤虫の幼虫は土の中に生息しており、犬の皮膚や足にも潜り込みます。

また、メス犬は母乳を通して子犬に寄生虫をうつします。

それだけでも怖いのに、犬の鉤虫は人間にも感染します。



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