深層学習を利用した画像解析がワンクリックで可能に

深層学習を利用した画像解析がワンクリックで可能にテクノロジー
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スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のCenter for Imaging主導のもと、EPFLとマドリード・カルロス3世大学(UC3M)のエンジニアチームは、生命科学研究のための画像解析に人工知能を簡単に取り入れることができるプラグインを開発しました。

この5年間で、画像解析は、従来の数学的・観察的な手法から、データ駆動型の処理や人工知能へと移行しつつあります。

この大きな進展により、あらゆる研究分野において、画像中の貴重な情報の検出と識別がより簡単に、より速く、より自動化されるようになっています。

ライフサイエンス(生命科学)の分野では、人工知能の一分野である深層学習が、バイオイメージの解析に大きな可能性を見せています。

しかし、深層学習モデルを使用するには、生命科学者のほとんどが持っていないコーディングスキルが必要です。

そこで、EPFLとUC3Mの画像解析の専門家は、EPFLのCenter for Imagingと共同で、オープンソースのプラグイン「DeepImageJ」を開発し、Nature Methods誌に発表しました。

バイオメディカル研究におけるニューラルネットワークの活用

深層学習モデルは、診断や医薬品開発など、画像に依存する多くの分野にとって大きなブレークスルーとなります。

例えばバイオイメージングでは、深層学習を利用して膨大な画像群を処理し、有機組織の病変を検出したり、神経細胞間のシナプスを識別したり、細胞膜や核の構造を判断したりすることができます。

また、画像の認識や分類、特定の要素の識別、実験結果の予測などにも適しています。

このタイプの人工知能は、過去に記録された大量のデータを利用してコンピュータにタスクを実行させるものです。

顔認識を行うCCTVシステムや、写真を補正する携帯電話のカメラアプリなどがこれにあたります。

深層学習モデルは、人工ニューラルネットワークと呼ばれる高度な計算アーキテクチャに基づいており、特定の種類の細胞や組織の病変を認識したり、画像の質を向上させたりするなど、特定の研究目的のために訓練することができます。

訓練されたニューラルネットワークは、コンピュータモデルとして保存されます。

コードなしの人工知能

バイオメディカルイメージングの分野では、欧州の研究者からなるコンソーシアム1互いに力を合わせて目的に達しようとする組織や人の集団。共同事業体。が、BioImage Model Zooと呼ばれる、事前に学習させたディープラーニングモデルのレポジトリを開発しています。

EPFLのCenter for ImagingでDeepImageJの開発を担当しているエンジニアのDaniel Sage氏は、「これらのモデルを学習させるためには、研究者は特定のリソースと技術的な知識(特にPythonのコーディング)を必要としますが、生命科学者の多くはそれを持ち合わせていません。しかし、理想的には、これらのモデルを誰もが利用できるようにすべきです。」と語ります。

DeepImageJプラグインは、人工ニューラルネットワークとそれを使用する研究者の間のギャップを埋めるものです。

生命科学者は、コンピューターエンジニアに、特定のタスクを実行するための機械学習アルゴリズムの設計とトレーニングを依頼することができるようになりました。

このプラグインは、オープンソースで無償提供されており、コンピュータサイエンスの新技術の普及やバイオメディカル研究の発表を促進します。

このプラグインは、エンジニア、コンピュータ科学者、数学者、生物学者がより効率的に共同作業を行うための共同リソースとして設計されています。

例えば、EPFLの修士課程の学生が学際的なチームの一員として最近開発したモデルでは、組織切片の中でヒトの細胞とマウスの細胞を区別することができます。

研究者もユーザーをトレーニングできる

世界中の生命科学者たちは、数年前からこのようなシステムを期待していましたが、EPFLのCenter for Imagingが介入するまでは、誰もその構築にチャレンジしていませんでした。

この研究グループは、Daniel Sage氏、Michael Unser氏(同センター学術部長)、Arrate Muñoz Barrutia氏(UC3M准教授)の3人で構成されています。

Muñoz Barrutia氏は、博士課程の学生であるEstibaliz Gómez-de-Mariscal氏と、バイオエンジニアリングの研究助手であるCarlos García López de Haro氏とともに、運用開発を主導しました。

また、できるだけ多くの研究者がプラグインを利用できるように、人工知能の可能性を最大限に活用するためのバーチャルセミナーやトレーニング教材、オンラインリソースの開発も行っています。

これらの教材は、プログラマーと生命科学者の両方を念頭に置いて設計されており、ユーザーが新しい手法をすぐに使いこなせるようになっています。

また、DeepImageJは、スイスで開催される生命科学者のための画像およびデータ解析に関する1週間のクラス「ZIDAS」でも紹介される予定です。

Published by Ecole Polytechnique Federale de Lausanne. Estibaliz Gómez-de-Mariscal et al, DeepImageJ: A user-friendly environment to run deep learning models in ImageJ, Nature Methods (2021). DOI: 10.1038/s41592-021-01262-9

 

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