生け垣の効果:ビルの谷間の道路の汚染物質を軽減することが研究で確認されました

生け垣の効果:ビルの谷間の道路の汚染物質を軽減することが研究で確認されました 地球

ビルが立ち並ぶ道路沿いの大気環境を広範囲に調査した結果、生垣が交通関連の汚染を1.7mまで軽減し、歩行者や幼児、自転車が吸い込む汚染物質を減らすことが確認されました。

サリー大学大気浄化研究グローバルセンター(GCARE)の研究者が中心となって行ったこの研究では、生け垣の中や周辺に様々な機器を設置して、多数の場所で様々な汚染物質の存在を測定し、道路からの高さや距離が異なる場合の生け垣の効果を確認しました。

この研究では、道路の幅が並んでいる建物の高さの2倍以上あるような、ビルの谷間の道路にある生け垣周辺のさまざまな大気汚染物質の分布について、以下を定量化することで新たな理解を得ました。

  • 生垣の後ろの全体的な大気汚染物質濃度の変化
  • 生垣がある場合の汚染物質の変化に対する風速と風向きの影響
  • 大気汚染物質の水平および垂直方向の分布

今回得られた知見は、グリーンインフラの障壁の設計を改善し、マイクロスケールの分散モデルを検証するための指針となります。

しかし、風速や風向き、生垣の特性、汚染物質の種類など、多くの要因に左右される複雑な状況が明らかになったため、今後のモデリング研究を検証するためには、より多くのフィールド研究が必要であると考えられます。

サリー大学は、EPSRCから資金提供を受け、インペリアル・カレッジ・ロンドンおよびエディンバラ大学の研究者と共同で実施しているINHALEプロジェクトの一環として、西ロンドンのホワイトシティに近いデュケーンロードで約6週間にわたり測定を行いました。

このビルの谷間の道路が選ばれた理由は、長い道路脇の生け垣があること、道路を利用する交通や輸送手段の種類(自転車を含む)、地上の大気質モニタリングステーションに近いことなどです。

デュケーンロードは片側1車線の道路で、住宅地を通っています。

2019年、大気汚染は世界の早死にの危険因子の第4位にランクインしました。

欧州委員会は、欧州の多くの都市で大気汚染物質のレベルが許容限度を超えていることから、気候変動に次ぐ2番目の環境問題として報告しています。

Global Centre for Clean Air Research (GCARE)の創設者であるPrashant Kumar教授は次のように述べています。

「大気の質には多くの要因が影響しますが、緑が空気をきれいにする、あるいは汚くするという実際の影響については、詳細な研究が不足しています。今回の研究は重要な進展をもたらしましたが、ストリートキャニオンのような複雑な建築環境において、都市のキャノピー層(地表から建物や樹木の上まで伸びる空気の層)で大気汚染物質を分散させるための最善の方法を正しく理解するには、さらに多くの研究が必要です。」と述べています。

Published by University of Surrey. Prashant Kumar et al, Understanding the effects of roadside hedges on the horizontal and vertical distributions of air pollutants in street canyons, Environment International (2021). DOI: 10.1016/j.envint.2021.106883