太陽が身近な小惑星に与える影響:小惑星探査機「ルーシー」とトロヤ群

太陽が身近な小惑星に与える影響:小惑星探査機「ルーシー」とトロヤ群 天文・宇宙

小惑星は、太陽系の始まりの物語を体現しています。

木星のトロヤ群小惑星も例外ではなく、太陽の周りをガス惑星と同じ軌道で回っています。

トロヤ群は、惑星を形成した天体の残骸と考えられており、これを研究することで、太陽系がどのようにして誕生したのかを知る手がかりになるかもしれません。

NASAのルーシー・ミッションは、今後12年間でトロヤ群7個を含む8個の小惑星を訪れ、惑星の形成や太陽系の起源についての大きな疑問に答えようとしています。

探査機が最初の目的地に到着するまでには、約3年半かかります。

ルーシーは何を見つけるのでしょうか?

他の惑星と同様に、小惑星も太陽圏に存在します。

太陽圏とは、太陽の風によって形成された広大な空間のことです。

太陽は、直接的にも間接的にも、この宇宙のポケットの中の存在の多くの側面に影響を与えています。

ここでは、太陽がトロヤ群のような小惑星に与える影響をいくつか紹介します。

宇宙での位置

太陽は太陽系の質量の99.8%を占めており、そのために強い重力を持っています。

ルーシーが訪問するトロヤ群も、太陽の重力の影響を受けています。

彼らは2つのラグランジュ点に集まっています。

ラグランジュ点とは、2つの巨大な物体(この場合は太陽と木星)の重力が均衡を保ち、小惑星や衛星のような小さな物体が大きな物体に対して動かないようにする場所です。

トロヤ群は、ラグランジュ点L4とL5で、木星の 60°前方および 60°後方を進みます。

Lagrange Points: Lucy Goes to Space

このビデオでは、ルーシーの主任研究員であるHal Levison氏が、ラグランジュ点に位置するトロヤ群小惑星について、またルーシーミッションがどのように軌道を描いてトロヤ群小惑星を訪問するかについて語っています。©NASA’s Goddard Space Flight Center/James Tralie

小惑星を太陽光で押してみよう

ヤルコフスキー効果は、何百万年もかけて、小さな小惑星の軌道を大きく変化させる。

ヤルコフスキー効果は、何百万年もかけて、小さな小惑星の軌道を大きく変化させる。©NASA’s Goddard Space Flight Center

そうです、太陽光で小惑星を動かすことができるのです。

小惑星は、地球をはじめとする多くの宇宙の物体と同様に回転しています。

小惑星の太陽に面した面は太陽光を吸収し、暗い面はエネルギーを熱として放出しています。

その熱が逃げ出すときに、ごくわずかな推力が発生し、小惑星をわずかに軌道からずらします。

この力はヤルコフスキー効果と呼ばれ、何百万年もかけて、小さな小惑星(直径25マイル(約40キロ)以下の小惑星)の軌道を顕著に変化させます。

同様に、太陽光も小さな小惑星の自転速度を変化させます。

この効果はYORP(発見に貢献した4人の科学者の名前)1ヤルコフスキー・オキーフ・ラジエフスキー・パダック効果と呼ばれ、小惑星の大きさや形などの特徴によって影響の仕方が異なります。

YORP効果は、小天体の回転を速めてバラバラにしてしまうこともあれば、小天体の回転を遅らせてしまうこともあります。

トロヤ群は、これまで調べてきた地球近傍小惑星やメインベルトの小惑星よりも太陽から遠いため、ヤルコフスキー効果やYORPがどのように影響するかは未知数です。

表面の形成


地球上の岩石が風化していくのと同じように、小惑星を含む宇宙の岩石も風化していきます。

岩石は、日中に温まると膨張し、冷えると収縮します。

日中、岩石が温まると膨張し、冷えると収縮します。

このような変化によって、時間の経過とともに亀裂が生じます。

これを「熱破砕」といいます。

小惑星のように大気のない天体では、温度の変化が激しいため、この現象が顕著に現れます。

そのため、トロヤ群は地球上の岩石よりも太陽から遠いにもかかわらず、熱破壊の兆候が見られる可能性が高いのです。

また、大気がないということは、小惑星の風化にも影響します。

小惑星は、太陽から流れてくる粒子、磁場、放射線の定常的な流れである太陽風にさらされています。

ほとんどの場合、地球の磁場によってこの衝撃から守られいます。

しかし、通過した粒子が地球の大気中の分子を励起し、オーロラを発生させることがあります。

一方、磁場や大気を持たない小惑星は、太陽風の影響を受けます。

粒子が小惑星に衝突すると、一部の物質が宇宙に飛び出し、残された物質の基本的な化学的性質を変化させます。

Published by NASA.