白色矮星のスイッチが入ったり切れたりする様子を観測

白色矮星のスイッチが入ったり切れたりする様子を観測 天文・宇宙
白色矮星(この画像ではMV Lyrae)が伴星からの物質を取り込みながら降着している様子を示す想像図。©Helena Uthas

白色矮星は、星の燃料である水素が燃え尽きた後、ほとんどの星がなる天体です。

その白色矮星がスイッチが入ったり切れたり様子を、今回初めて観測しました。

研究者たちは、惑星探査衛星を使って、地球から約1,400光年離れた場所にある白色矮星のユニークな現象を観測しました。

この白色矮星は、軌道上の伴星から降着1宇宙空間で高密度の中心天体に向かって、周囲を回転しているガスや塵などが重力によって引き寄せられ、徐々に降り積もること。降着円盤を形成する。していることが知られています。

これまで降着する白色矮星では、数日から数ヶ月かけて明るさを失っていましたが、今回の観測では30分で明るさを失っていることがわかりました。

降着している白色矮星

図は、TESSの観測によって、青で示した明るいモードから赤で示した暗いモードへと変化する様子を示しています。

TW Pictorisは、白色矮星が伴星から物質を降らせる、比較的明るい連星系です。Transiting Exoplanet Survey Satellite (TESS) の観測により、TW Pictorisが30分足らずの間に突然、急激に暗くなる様子が明らかになりました。図は、TESSの観測によって、青で示した明るいモードから赤で示した暗いモードへと変化する様子を示しています。©Simone Scaringi

降着する白色矮星の明るさは、周囲の物質を摂食する量に影響されるため、研究者たちは、何かが餌(物質)の供給を妨げていると考えています。

今回の観測では、白色矮星の表面の磁場が変化しているのではないかと考えられています。

輝度が高い「オン」の状態では、白色矮星は通常通り降着円盤2恒星やブラックホールなどの天体に周囲からガスが落ち込む場合、角運動量をもっているガスは主星にはまっすぐに落ちず、主星の周りにリングを形成し、 それが広がって円盤になる。これを降着円盤という。を摂食しています。

それが突然、「オフ」になり、明るさが急激に低下するのです。

磁気ゲート

研究チームによると、このような状態になると、磁場が急速に回転して、白色矮星が受け取る餌(物質)の量を妨げる障壁ができます。

これにより、天文学者が目にした明るさの小さな増加が半規則的に起こります。

しかし、しばらくすると、このシステムは散発的に再び「オン」になり、明るさは元のレベルに戻ります。

今回の発見により、ブラックホール、白色矮星、中性子星などの天体が、近隣の星からの物質を吸収する降着の物理学について、より深く知ることができると期待されている。

Published by Durham University. Simone Scaringi, An accreting white dwarf displaying fast transitional mode switching, Nature Astronomy (2021). DOI: 10.1038/s41550-021-01494-xwww.nature.com/articles/s41550-021-01494-x