割れたスマホの画面を自己修復するポリマーを開発

割れたスマホの画面を自己修復するポリマーを開発 ナノテクノロジー

博士号取得者Twinkal Patel氏の研究は、将来的にバッテリーの寿命を向上させる可能性もある。

多くのスマホユーザーであれば、一度は画面のひび割れを経験したことがあるでしょう。

この厄介な問題は、イライラさせられますし、修理にはお金がかかります。

コンコルディア大学の2人の研究者は、携帯電話を「自己修復」する方法を研究していますが、この研究はより広い意味を持つ可能性があります。

熱を下げる

ACS Nano誌に掲載された論文「Self-Healable Reprocessable Triboelectric Nanogenerators Fabricated with Vitrimeric Poly(hindered Urea) Networks」の筆頭著者であるTwinkal Patel博士は、「この種のプロジェクトでは、機械的特性と自己修復特性のバランスを保つことが大きな課題です。」と説明します。

この研究は、温度に着目した点で、類似の研究とは一線を画しているとPatel氏は言います。

「我々の目標は、構造の強靭さを損なわずに、損傷や引っかき傷を自己修復する動的な能力を加えることです。私たちは、室温でキズの完全な治癒を実現することに焦点を当てています。この特徴が、私たちの研究を他とは違うものにしています。」

時間とコストの節約

研究チームは、非常にシンプルな合成ルートで自己修復性ポリマーを作成しました。

開発された材料は、室温で優れた結果を示しました。

Horizonの博士研究員で論文の共著者であるPothana Gandhi Nellepalli氏は、「これらの材料は、自己修復メカニズムにより、損傷やひび割れを素早く修復することができます。その結果、これらの素材は消費者の時間とコストを節約するとともに、使用する素材の寿命を延ばし、環境負荷を軽減することができます。」

研究室での生活

Patel氏は、このプロジェクトの成功は、化学・生化学科の教授でナノバイオサイエンスのカナダリサーチチェア(Tier II)であるJohn Oh氏が率いる研究グループのおかげだと言います。

「ここで働いたことは素晴らしい経験でした。このラボを第二の家族のように感じさせてくれる、素晴らしく協力的なメンバーに出会いました。上司の指導のおかげで、初めての論文を発表することができ、とても感謝しています。自分が行ったハードワークが論文として出版されるのを見て、達成感を感じています。」

この技術で他にできることは?

「将来的には、自己修復ポリマーネットワークを使って、摩擦帯電型ナノ発電機のバッテリー寿命を向上させたいと考えています。」とPatel氏は付け加えます。

この技術は、デバイスにエネルギーを蓄えておき、繰り返し動きが加わったときにそのエネルギーを電気に変換するというものです。

「この技術は、スマホバッテリーの寿命を延ばすのにも使えるはずです。将来的には、歩くだけで充電できるようになるでしょう。」と述べています。

Published by Concordia University.Twinkal Patel et al, Self-Healable Reprocessable Triboelectric Nanogenerators Fabricated with Vitrimeric Poly(hindered Urea) Networks, ACS Nano (2020). DOI: 10.1021/acsnano.0c03819