マイクロプラスチックは食物連鎖を介して北極圏にまで広がっている

マイクロプラスチックは食物連鎖を介して北極圏にまで広がっている 生物学

サイモン・フレーザー大学の研究者たちは、マイクロプラスチックが餌を介してシロイルカの胃袋に入る過程を研究した結果、マイクロプラスチックは最も遠い海域でも発見されていると言います。

Science of the Total Environment誌に掲載された新しい研究では、シロイルカが食べることが知られている5種類の北極圏の魚を調査しました。

調査対象となった魚のうち、21%の魚の消化管内にマイクロプラスチック粒子が検出されました。

研究チームは、シロイルカの胃の中にあるマイクロプラスチックの量を調べた以前の研究結果と合わせて、シロイルカが1年間に摂取するマイクロプラスチックの粒子の数は145,000個以上に上ると推定しています。

この研究の筆頭著者であるRhiannon Moore氏は、シロイルカの健康への影響は不明だが、プラスチックがいかに広く普及しているかが明らかになったと述べています。

「7頭のシロイルカの胃を調査したところ、すべての胃からマイクロプラスチックが検出されたときは、とても驚きました。北部の人里離れた場所に生息していた動物ですし、見つかったプラスチックは1種類だけではありませんでした。」と、サイモン・フレーザー大学で科学修士号を取得したばかりのMoore氏は言います。

本研究は、ノースウエスト準州、ユーコン、アラスカの北に位置する東ボーフォート海の魚の胃の中にマイクロプラスチックを記録した初めての研究です。

織物や衣料品に含まれるマイクロプラスチックの繊維が、魚の胃の中で見つかった粒子の78%を占めていました。

海にマイクロプラスチックが多く存在することは、新たな環境問題として注目されていますが、Moore氏は、今回の研究は、どこにも免疫がないことを示していると言います。

「私たちは社会で多くのプラスチックを使用していますが、不適切な方法で廃棄されると、プラスチックはどんどん小さく分解され、海洋環境に容易に運ばれてしまいます。これらの研究結果は、マイクロプラスチックが一箇所に留まらず、空気中、水中、堆積物中を移動し、さらには食物連鎖を介して移動していることを示しています。」

現在、ビクトリア市でゼロ・ウェイスト・アウトリーチ・コーディネーターを務めるMoore氏は、今回の研究は単なるスナップショットに過ぎないとし、マイクロプラスチックが動物の消化管内にどのくらいの期間留まるのか、動物の健康にどのような影響を及ぼすのかについては分かっていません。

「今回の研究では、北極圏で発生する汚染物質のリストに加えて、人口密度の高い南半球でのプラスチックやマイクロプラスチックの放出を食い止めるために、早急な対策が必要であることが明らかになりました。」と、Raincoast Conservation Foundationのシニアサイエンティストで、今回の研究の共同執筆者であるPeter Ross氏は述べています。

Published by Simon Fraser University. R.C. Moore et al, Microplastics in beluga whale (Delphinapterus leucas) prey: An exploratory assessment of trophic transfer in the Beaufort Sea, Science of The Total Environment (2021). DOI: 10.1016/j.scitotenv.2021.150201