サリー大学の研究者が超新星の反応を実験室で再現

サリー大学の研究者が超新星の反応を実験室で再現 物理
実験は、TRIUMF国立研究所のTIGRESSガンマ線検出器と結合したEMMAリコイルスペクトロメーターを用いて行われました。©University of Surrey

サリー大学の核物理学グループの研究者は、TRIUMF国立研究所(カナダ)と共同で、放射性核種の加速ビームを用いて超新星反応を実験室で直接測定することに初めて成功しました。

この先駆的な研究は、研究対象となっている天体反応の速度が、これまで理論的に予測されていたものよりも大幅に低いことを発見し、Physical Review Letters誌に掲載されました。

銀河系内に存在する鉄より重い元素の起源を明らかにすることは、現代科学において最も重要な未解決問題の1つです。

特に、太陽系で観測される重元素の約1%を占める30個ほどの「p核」については、その天体物理学的な起源は謎に包まれています。

これらの元素は、その希少性から星や超新星残骸で直接観測することができないため、これまでは実験や理論モデル、隕石のデータを組み合わせて研究するしかありませんでした。

物理学科のGavin Lotay博士が主導した今回の研究では、TRIUMF研究所の高度な設備を利用し、ガンマプロセス(これまでで最も成功したp核生成モデル)において、特定のp核であるストロンチウム84の生成が増加したことが示されました。

この結果は、アジェンデ隕石でストロンチウム84の濃度が上昇しているという観測結果の説明に役立つだけでなく、他の天体物理学的プロセスにも光を当てることができるかもしれません。

Lotay氏は次のように述べています。

「高分解能のガンマ線検出器と先進的な静電選別装置を組み合わせてガンマ線プロセス反応を測定することは、天体物理学的プロセスを直接測定する上で重要なマイルストーンです。このような測定は、現在の実験技術では手が届かないと考えられていましたが、今回の研究により、将来の可能性が大きく広がりました。」

Published by University of Surrey. G. Lotay et al, First Direct Measurement of an Astrophysical p -Process Reaction Cross Section Using a Radioactive Ion Beam, Physical Review Letters (2021). DOI: 10.1103/PhysRevLett.127.112701