骨の健康を維持する構造を形成する骨細胞の仕組みを解明:Sp7とオステオクリンによる骨細胞の樹状突起形成の制御

骨の健康を維持する構造を形成する骨細胞の仕組みを解明:Sp7とオステオクリンによる骨細胞の樹状突起形成の制御 健康

骨組織の中には、樹状突起と呼ばれる木のような突起をもち、他の細胞からの情報伝達に重要な役割を果たす骨細胞が存在します。

加齢による樹状突起の減少は、骨の脆弱性や骨粗鬆症の原因となります。

今回、マサチューセッツ総合病院(MGH)を中心とする国際研究チームは、骨細胞がどのようにして樹状突起を形成するのかを明らかにしました。

この発見は、樹状突起を維持するための戦略につながり、生涯にわたって骨の健康を守ることができるかもしれません。

今回の研究では、希少疾患や一般的な骨格系疾患に関連する遺伝子である『Sp7』を骨細胞で欠失させると、骨細胞の樹状突起に重大な欠陥が生じることを発見しました。

この遺伝子は、他の遺伝子の発現を制御する「転写因子」と呼ばれるタンパク質をコードしています。

研究チームは、『Sp7転写因子』が、骨細胞の樹状突起の形成を促進するオステオクリンという遺伝子を標的にしていることを発見しました。

マウスでは、オステオクリン遺伝子をオンにすることで、Sp7の欠損を補い、骨細胞の樹状突起の欠損を回復させることができました。

マサチューセッツ総合病院内分泌部門の研究者であり、ハーバード・メディカル・スクールの医学部助教授でもあるMarc Wein医学博士は、「今回の研究で、転写因子Sp7とその標的であるオステオクリンが、骨細胞間の健全な結合を促進するための遺伝子制御ネットワークの形成に重要な役割を果たしていることが明らかになりました。」と述べています。

「骨細胞がどのようにしてこのネットワークを維持しているのかを解明することは、骨粗鬆症や骨折しやすい病気を治療する新しい方法の可能性を開くものです。」と述べています。

共著者は、Jialiang S. Wang氏、Tushar Kamath氏、Courtney M. Mazur氏、Fatemeh Mirzamohammadi氏、Daniel Rotter氏、Hironori Hojo氏、Christian D. Castro氏、Nicha Tokavanich氏、Rushi Patel氏、Nicolas Govea氏、Tetsuya Enishi氏、Yunshu Wu氏、Janaina da Silva Martins氏、Michael Bruce氏、Daniel J. Brooks氏、 Mary L. Bouxsein氏、 Danielle Tokarz氏、 Charles P. Lin氏、 Abdul Abdul氏、 Evan Z. Macosko氏、 Melissa Fiscaletti氏、 Craig F. Munns氏、 Pearl Ryder氏、 Maria Kost-Alimova氏、 Patrick Byrne氏、 Beth Cimini氏、 Makoto Fujiwara氏、 and Henry M. Kronenberg氏です。

Published by Massachusetts General Hospital. Jialiang S. Wang et al, Control of osteocyte dendrite formation by Sp7 and its target gene osteocrin, Nature Communications (2021). DOI: 10.1038/s41467-021-26571-7