一人乗りの空飛ぶ乗り物の開発:電動垂直離着陸機(eVTOL)

個人用の空飛ぶ乗り物の開発 テクノロジー
ZEVA Aero社の電気式垂直離着陸機(eVTOL)の試作機。©Voiland College of Engineering and Architecture

二酸化炭素排出量ゼロの個人用飛行機に乗って、交通渋滞や混雑を避けながら空を飛び、便利な場所にあるオフィスに着陸することを想像してみてください。

これは長い間、SFの世界の話でしたが、ワシントン州立大学(WSU)の研究チームは、個人用の電動飛行装置の夢をいつの日か実現するための部品をテストしています。

機械・材料工学部のJohn Swensen准教授は、「シアトルのダウンタウンから空港まで車で移動しようとしたことがあるなら、それだけでこのプロジェクトの正当性を証明できると思います。」と語ります。

Swensen氏とKonstantin Matveev教授は、ワシントン州航空宇宙技術革新共同センター(JCATI)から助成金を受け、タコマ市の新興企業であるZEVA Aero社と共同で、一人乗りの電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発に取り組んでいます。

学生4名を含むワシントン州立大学チームは、機体の推力と制御を最適化するための空力構成を研究しています。

航空宇宙技術革新共同センターは、航空宇宙企業に関連する研究を支援し、学生に業界に焦点を当てた研究の機会を提供しています。

Matveev氏は、「人をどこにでも連れて行けるような、使いやすい個人用の飛行機を夢見てきましたが、最大の課題は、人を乗せたまま離陸するのに十分な推力を得ることでした。小さなパッケージに十分なパワーを持たせることができるので、小さなプロペラをいくつも取り付けて、この技術を実現することができます。」と言います。

近年、モーターや制御システムの進歩、さらには軽量化された素材のおかげで、この問題は解決されつつあります。

ワシントン州立大学卒業生のStephen Tibbitts氏が率いるZEVA Aero社は、eVTOL車両の実用的なプロトタイプを完成させており、まずは救急隊員や緊急サービスに使用されることを期待しています。

この試作機は、時速160マイル(時速約257.5km)で最大50マイル(80km)まで飛行できるように設計されています。

ZEVA Revolutionary Design

Swensen氏は、「このユニークな機体は、離陸時にはヘリコプターのようにホバリングし、その後、水平方向に傾いて空気抵抗を減らし、より効率的に飛行機のように飛行します。」と述べています。

1982年に電気工学を専攻したTibbitts氏は、「ワシントン州立大学の研究者と協力して、この革新的な輸送技術を推し進めることができ、大変うれしく思っています。Swensen氏とMatveev氏、そして彼らの学生チームは素晴らしい仕事をしています。 また、航空宇宙分野の学生育成に州が投資してくれるのは非常に助かります。これは、急成長中のeVTOL産業における地域の競争力に永続的な効果をもたらします。」と語ります。

ワシントン州立大学の研究者たちは、航空機の推進システムのモデル化とテストに協力しています。

Swensen氏は、実験室の環境下でプロペラをテストするためのテストスタンドを作り、トルクと効率を測定しています。

Matveev氏はモデリングと計算を担当し、推進システムを最適化するためにプロペラ周りの空気の流れをシミュレーションしています。

研究者たちは定期的に企業の担当者と会い、研究内容を報告しています。

Swensen氏は、電動の空飛ぶ乗り物はいつできるのだろうと思っている方に向けて、より効率的で軽量なバッテリーの開発が進めば、「遅かれ早かれ」実現すると述べています。。

「特に、より効率的で軽量なバッテリーの開発が進み、より多くの電気を、より小さなスペースに、より少ない質量で蓄えることができるようになれば、それは、より早く実現するための大きなゲームチェンジャーになると思います。」と語っています。