火星からやってきた隕石の故郷と思われる場所が特定される

火星からやってきた隕石の故郷と思われる場所が特定される 天文・宇宙

カーティン大学の研究者らは、高解像度の惑星画像を分析する機械学習アルゴリズムを用いて、火星から放出された隕石群の起源と思われる場所を特定しました。

Nature Communications誌に掲載された今回の研究では、地球に着陸した隕石は、太陽系最大の火山地帯である火星のタルシス地域に位置するトゥーティング・クレーターが起源である可能性が高いことが判明しました。

過去2,000万年の間に、約166個の火星の岩石が地球にやってきましたが、それらの火星での正確な起源は不明でした。

カーティン大学地球惑星科学部宇宙科学技術センターの主任研究員Anthony Lagain博士は、今回の発見が赤い惑星の地質学的歴史を解明するための背景となるだろうと述べています。

「今回の研究では、機械学習アルゴリズムを用いて9,000万個の衝突クレーターの新しいデータベースを作成し、火星の隕石の潜在的な発射位置を決定することができました。その結果、110万年前に火星から放出された隕石は、トゥーティング・クレーターから放出された可能性が高いことがわかりました。」とLagain氏は述べています。

同じくカーティン大学の宇宙科学技術センターのGretchen Benedix共同主幹教授は、これを可能にしたアルゴリズムは、科学者がテラバイト級の惑星データを利用する方法を大きく前進させるものだと述べています。

Benedix氏は、「1km以下の大きさのクレーターを何千万個も数えなければ、火星の最も若いクレーターを認識することはできなかったでしょう。今回の発見は、この地域で3億年前に火山噴火が起こったことを示唆していますが、これは地質学的な時間スケールでは非常に最近のことです。また、この火山地帯の下にある惑星の構造についても、新たな知見が得られました。」と述べています。

Lagain氏は、今回の研究は、地球だけでなく、火星の形成や進化についての理解を深めるのに役立ち、地球上の他の産業分野にも利益をもたらす可能性があると述べています。

「火星のクレーターのマッピングは、その第一歩です。今回開発したアルゴリズムは、あらゆる天体のデジタルマッピングを自動化するために再学習することができます。このアルゴリズムは、地球上の農業、環境、さらには火災や洪水などの自然災害の管理にも応用することができます。」とLagain氏は述べています。

このアルゴリズムは、CSIRO、Curtin Institute for Computation、School of Civil and Mechanical Engineeringのメンバーを含む学際的なグループが、Australian Research Council(オーストラリア研究会議)からの資金提供を受けて自社開発したものです。

研究者たちは、南半球最速のスーパーコンピュータであるPawsey Supercomputing CentreとCurtin HIVE(Hub for Immersive Visualisation and eResearch)を用いて、大量の高解像度惑星画像を機械学習アルゴリズムで分析し、衝突クレーターを検出しました。

この研究には、カーティンの宇宙科学技術センター、カーティンの地球力学研究グループ、西オーストラリア博物館、CSIRO – Pawsey Supercomputing Centre、フランスのトゥールーズ大学、アフリカのFélix Houphouët-Boigny大学の専門家も参加しています。

Published by Curtin University. A. Lagain et al, The Tharsis mantle source of depleted shergottites revealed by 90 million impact craters, Nature Communications (2021). DOI: 10.1038/s41467-021-26648-3