魚を多く食べる人は、脳の血管障害の兆候が少ない

魚を多く食べる人は、脳の血管障害の兆候が少ない 健康

フランスの研究者らは、魚を多く食べることと、脳の血管性疾患のリスクが低いことの関連性を発見しました。

血管性脳疾患は、脳の血管に損傷を与える病気で、血管性認知症や脳卒中のリスク要因となります。

この研究結果は、2021年11月3日、米国の科学誌「Neurology」に掲載されました。

この研究で何で行ったこと

ボルドー大学の研究者らは、血管性疾患と認知症の関係についての大規模な研究である「Three City Study」のデータを分析しました。

研究者たちは、脳卒中、心血管疾患、認知症の病歴がない65歳以上の1,623人のMRIスキャンを分析しました。

また、参加者は食生活に関するアンケートにも記入しました。

参加者は、魚を食べる頻度に応じて、週1回未満、週1回程度、週2〜3回、週4回以上の4つのグループに分けられました。

そして、それぞれのグループで、血管疾患の兆候の数を比較しました。

研究でわかったこと

魚をよく食べると答えた参加者は、魚をあまり食べない参加者に比べて、脳のMRIスキャンにおける損傷の兆候が少なかったのです。

魚の摂取量と血管疾患との関連性は、65〜69歳の人では高齢者に比べて強く、75歳以上の人では有意な関連性は見られませんでした。

Alzheimer’s Research UKの研究責任者であるRosa Sancho博士は次のように述べています。

「ほとんどの人にとって、認知症のリスクは、複数の遺伝的要因と環境的要因の複雑な相互作用によって決まります。私たちのライフスタイルのどの側面が脳の健康に最も大きな影響を与えるかを理解することは、人々が十分な情報を得た上で人生の生き方を決定するための鍵となります。今回のような観察研究では、原因と結果を特定することはできません。今回の研究では、脳血管障害の兆候の違いを引き起こす可能性のある他の要因をコントロールすることを試みましたが、これらの要因を人々の食生活における魚の量と明確に関連付けることは困難です。また、今回の調査では、脳のスキャンは1回だけで、食生活についての報告は1回だけだったため、今回の結果が長期的な脳の健康状態とどの程度関連しているかは明らかではありません。NHS(イギリス国民保健サービス)では、バランスのとれた食生活の一環として、週に2回、魚を食べることを推奨しています。油性の魚が重要な脂肪酸の供給源になることはわかっていますが、特定の食品やサプリメントが健康な脳を維持する鍵を握っているとは考えられません。心臓に良いものは脳にも良い傾向があるという研究結果があり、血圧やコレステロールの管理、禁煙、推奨される範囲内の飲酒、活動的なライフスタイルはすべて、年齢を重ねても脳の健康につながると言われています。」と述べています。

Published by Alzheimer’s Research UK. Aline Thomas et al, Fish Intake and MRI Burden of Cerebrovascular Disease in Older Adults, Neurology (2021). DOI: 10.1212/WNL.0000000000012916